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【2010】Dear Rocky。 [◆大切な君へ]

君との出会いは1997年の4月でした。
四月末に引越しを控え、慌しい中でした。
一目見て、君が好きになりました。
何かに怯えているようで、それでも人のことを嫌いじゃないって顔の君が。
抱っこさせてもらったときも、君は怖がってお店の隅に逃げていったよね。
その印象が強くて、私が変わり者だったせいもあるかもしれないけれど、どうしても君に家族になって欲しかったんだよ。
尻尾の先、かじってあったり皮膚病になっていたり、散々だったけれど、でもとても可愛かった。

私は高校を卒業して間もなく、進学した学校のリズムに慣れてきた頃でした。
お昼からの授業だったり、お昼までの授業だったり。
そんな不規則な一週間が続くのです。
ほとんど毎日、公園に行ったよね。
それで、あんまり歩いたりはしないで、
ファーストフードとかお弁当とか食べて、芝生の上でごろごろしていたよね。
そんな生活のおかげで、君はすっかり太ってしまって、獣医さんに痩せなさいって言われたこともありました。

引越しの日、
行き場がなくなって勉強机の上に君を置いていたら、
君があくびをした瞬間に引越し屋さんのお兄ちゃんが狐のぬいぐるみと間違えてとてもびっくりしていたね。
あの時のこと、今でも鮮明に覚えています。
ごっついお兄ちゃんでしたが、びくうっってしていて、可笑しかった。
確かに私の部屋には君に似た狐のぬいぐるみがありました。
そのせいもあったのでしょうけれど。

君は我が家に来て、数週間で新しいお家に移ることになったわけだけれど。
びっくりしていなかったかな。
すぐに馴染んでくれたのかな。

小さいときの君は臆病で、初めて芝生に下りたときとても怖がっていたね。
震えるばかりだった君が歩いてくれたときは、本当に嬉しかったんだよ。

心臓がちょっと駄目で、走ったり出来ない私に合わせて歩いてくれる、優しい子でした。
いつも私の歩調に合わせていたから、君はいつしか走るのをやめてしまったよね。
二年くらいかかって、君の毛は見違えるほどふわふわになりました。
その間に、君はとてもたくさんの悪戯をしたね。
私のお気に入りのスカートを食いちぎってくれたり。
ぬいぐるみのお鼻を取ってくれたり。
君のベットに使っていたバスケットの持ち手を、ぎざぎざにしてくれたり。
毛布のタグをちぎってくれたり。。。
数え切れないくらい怒って、笑って、君はどんどん大人になっていったね。
そういえば、君が来たばかりの頃、待てって言ったまま三十分もうっかり放置してしまって、君がずっと待っていたこと、我が家の語り草です。

君が四歳になった頃、君の子供が欲しいなぁなんて理由でお嫁さんをもらいました。
すっかり落ち着いた犬になってしまった君は、やかましくつきまとう子犬を苦手に思ったみたい。
あまりいい顔をしていなかったなと思います。
でも結局、君は子犬を受け入れてくれました。
お嫁さんにはなれなかったけれど、妹みたいに。家族として。
誰よりも彼女を守ってくれていたのは、きっと君だった。

私は社会人になっていて、君との時間があまり取れなくなりました。
学生の時とは違うから、毎日ゆっくりお散歩したり遊んだり出来なかった。
時には君のことなんて省みないで、遊びに行ってしまったこともあったね。
そんな私にも君はとても優しかった。
悲しいときはただじっとそこにいて慰めてくれた。
泣いていたら涙をなめてくれて、立っていられないくらいつらい時にはほえて人を呼んでくれた。
君が一番、私の体調や気持ちを分かってくれていたね。

いつのまにか、君はなんとなく私の言葉をわかってくれるようになっていて。
あっという間に月日は過ぎてしまったね。
十歳を過ぎてから。急に君の体力が落ちた気がしました。
心配したけれど、君がいつも通りの強い眼で私を見てくれていたから、そんなに怯えることもしなかった。

お友達の犬もできて、わずらわしそうに。でも楽しそうに、君なりに遊んでいたと思います。
私は君の目が好きでした。
きらきら輝いていて、何かたくらんでいるようで。
決して従順じゃなく、強かで気儘で生意気な眼でした。
でも、そんな君が大好きだった。
カレーの匂いを嗅ぐと、お肉と勘違いして飛んでくる君も可愛かった。
箱根の黒たまご、大好きだったよね。
一緒に行かなかったときも、必ずお土産にしていました。

君が傍にいることが当たり前になって、
君が遠くへ行ってしまうなんて考えられなくなっていました。
ありえない話だけれど、君はずっと傍にいてくれるような気がしていました。
十二歳になってからの一年は、君が老いていく一年でした。
少しづつ、少しづつ、君の老いを感じていました。
口に出さなかったのは、否定したかったから。
眠っている時間の多くなった君を、見ていることしか出来なかった。

君の良いところも悪いところも、全部が好きでした。
君は可愛いと言われるのが好きで、色んな人に愛想を振りまいていました。
でも、自分の気にいった人にしか撫でさせなかったよね。
愛想だけ振りまいて、可愛いって言わせてから、するっと身を翻したりする。
そんな小悪魔的な振る舞いも、私には可愛かったよ。
年をとっても童顔で、君は最期まで可愛かったよ。
写真を撮られることも、好きだったね。
知らない人がお花の写真を撮っている前で勝手におすまししたりして。
眠っていても、カメラを起動させると眼をぱっちり開けて可愛い顔をしたりした。
おかげさまで、残っている写真の君はほとんど同じ顔をしているよ。

そして、君はプライドがとても高かったんだね。
最期の日まで、自分でトイレに行っていたなんて信じられないことなんだよ。
人に手伝ってもらうの、嫌がっていたよね。
最期まで、私を気遣ってくれて、ありがとう。

君には色々なものをたくさんもらいました。
とても大事なものばかりです。
どんな時も決して裏切らず、怒らず、辛抱強く私を愛してくれました。

君の一生は幸せなものだったでしょうか。
そうだったら、いいなと思います。

最後の一、二年。
一緒に色んなところに遊びにいけてよかった。
たくさんの想い出を作れてよかったです。
君にとっては、長旅は疲れてしまったかもしれないけれど。
でも、楽しそうな君の顔を見ることが出来て、私は幸せでした。

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ちょうど一週間前。
君が旅立ってしまったとき、現実を見れなくなってごめんね。
ちゃんとまっすぐに君を送ってあげられなくて、ごめんなさい。
今はちゃんと前を向いていられるけれど、隣に君がいない寂しさはぬぐえません。
染み付いてしまった習慣も、悲しいくらいおとせないでいます。
でも、今も君は私のことを見ていてくれていると、勝手に思っているよ。
だから、一緒に色んなところに行こう。
もう辛くないから、いっぱいおいしいものを食べよう。
一緒に泣いて、一緒に笑おうね。

ロッキー、13年間一緒にいてくれてありがとう。
これからもずっと、君を忘れないよ。ずっと君が大好きだよ。
君が愛してくれて、君を愛して、おねーちゃんはとても幸せでした。
本当にありがとう。


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